2012/01/22

ステレオ誌2012年1月号の特別付録

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2011年12月発売、ステレオ誌2012年1月号付録のデジタルアンプ(完成品)。

ラックスマンとステレオ誌のコラボにより実現し、デジタルアンプICにはSTマイクロ社の「TDA7491HV」を搭載しています。

以下、サイレントモードでどうぞ~

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2011/08/14

ビクター ウッドコーン・プレミアムモデル『EX-AR9』の魅力 Vol.2

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  ▲ 日本ビクター コンパクトコンポーネントDVDシステム EX-AR9

ビクター ウッドコーン・プレミアムモデル『EX-AR9』の魅力 Vol.1 の続きの記事です。

以前に、同社EX-AR3オーディオシステムから奏でられる音楽を聴いたこともあり、その時でも十分に満足できる音だったのですが、その後に進化を遂げたEX-AR7が発売され、さらに音に磨きをかけバージョンアップされたのがEX-AR9というモデル。

その音づくりは、もう理屈では表せないような様々なアイディアや試行錯誤の末にたどり着いた結果ともいえる、「EX-AR7」の完成度をより高めたモデルでした。

開発エンジニアの今村氏より、「生みの苦しみ」というよりも「生みの楽しみ」に近いようなことを伺ってきましたので、少し紹介したいと思います。

私自身は理解しているつもりですが、伺ってきたことをストレートに書きますので、どうぞ最後までお付き合いください。

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2011/08/13

ビクター ウッドコーン・プレミアムモデル『EX-AR9』の魅力 Vol.1

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ビクターダイレクト限定商品、コンパクトコンポーネントDVDシステム「ビクター EX-AR9」より奏でるサウンドを、先日聴いてきました。

ヒアリング場所は、ビクターエンターテインメントのレコーディングスタジオ、ビクタースタジオ(通称「青山スタジオ」)です。

普段、関係者以外はなかなか入れない施設なのですが、今回は特別に潜入してきましたので、撮影が許されたビクタースタジオ内部の模様と ウッドコーン・オーディオシステムのプレミアムモデル「ビクター EX-AR9」の魅力などを、お届けしたいと思います。

※ ビクター EX-AR9 は、ビクターダイレクトより2011年8月下旬 発売予定

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2009/01/19

日本ビクター SX-WD1KT(ウッドコーンスピーカーキット) Vol.2

日本ビクターのウッドコーン・スピーカーキット SX-WD1KTicon

前編(Vol.1)で各パーツの紹介をしましたが、今回はその続編で“組立て”と“聴感レポート”についてお届けしたいと思います。

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組立てに必要な工具類です。これらは、キットには含まれていませんので、組み立てるにあたり各自で用意する必要があります。

特に特別な工具は無いと思いますが、六角レンチの 3㎜ は最初からキットに含まれていても良かった気がします(買い求めるとなると単品でも購入できますが、上の画像のようにセッでト販売されているほうが一般的です)

ハサミは吸音材をカットする際に、木工用接着材はバスレフダクトのエア漏れ防止と吸音材をキャビネット内部に貼るつける際に使用します。プラスドライバーは「No.2」の大きさがベストのようです。

「組立てマニュアル」には、バスレフダクトを取り付ける時にハンマーが必要と記されていましたが、それほど固い圧入ではないので、私は貫通ドライバーの柄の部分を利用しました。(ハンマーに比べ、若干ですが難易度は高くなります)

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キャビネット内部になります。

キャビネットは既に組み立てられ、各パーツをマウントするための穴やユニットを固定するスクリュー穴は開けられています。

こちらは、ウッドコーン・スピーカーユニット用の専用設計ですので、いろいろなスピーカーユニットを選ぶ愉しみやエンクロジャーの組立てまで求める方には物足りないと感じるかもしれませんが、そのぶん工作は容易なものになっています。

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組立ては、まずバスレフダクトの取り付けから行います(吸音材は毛羽立ちますので、キレイな部屋での作業は避けたほうが良いと思います)。

ダクトの先端は斜めに成型され“向き”がありますから、ダクトをダクト穴に手で挿入し、リブの当たるところで位置決めをして、軽く押し込みます。

この時、リブの外周部にエア漏れ防止のための木工用接着剤を約 5㎜ の幅で付けます。キャビネットの背面板に接着剤の容器を当てながら接着剤を出していくと、ほぼ同じ位置に付けることが出来ます。

接着材は、少なすぎるとエア漏れ防止の機能を果たせませんから、すこし多めでも良いでしょう。画像くらいの量がベターだと思います(接着剤がはみ出た時の対処法は後述します)。

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ダクトを打ち込みするときは、キャビネットを傷つけないよう、吸音材(白)を下に敷き、上部には誤ってキャビネットを叩いてしまった時の保護用に吸音材(黒)を載せておきます。

ダクト打ち込みは、ダクトが曲がって入らないよう同じ力で軽くダクトの端部を前後左右とまんべんなく叩き、ダクトとキャビネットの間の隙間が無くなるで行います(一気に叩くと曲がる原因になります)。

作業途中に、吸音材(黒)を横にずらして真っ直ぐに入っているか確認しながら行うのが良いと思います。   

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※木工用接着材がはみ出てしまったら、固まる前に水で濡らして堅く絞った布でキレイに拭き取ります。

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吸音材を所定の大きさにカットします。

吸音材の量で音質が変化するのは分かっているものの、基準になる音をとりあえず出すため、マニュアルの指示に従います。

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スピーカー1台分の吸音材です。

定規を当てながらアバウトにカットしたので、よく見ると曲がっている所がありますね。でも、これは仕事ではないので許してください。

キチンとカットしたい場合は、(裁縫のように)厚手の紙をカッターなどの刃物で真っ直ぐ切り、それを台紙にする方法があります。

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吸音材をキャビネット内部に、木工用接着剤を使い貼り付けました。

上の画像を見ると、かなり抜けの良い音が想像できますね。ここから先はヒヤリングしながら、吸音材の量を調節してチューニングして行こうと思います。

同社のウッドコーン・オーディオシステム EX-AK1icon で使われているスピーカーのように、ウッドチップの吸音材を是非とも入手ですねー

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スピーカー端子にスピーカー端子用コードを接続します。

コード両端の端子処理は同じですから、どちら側の端子(メス)をスピーカーユニットに取り付けても OK です。プラス・マイナスの極性は、ギボシ端子の大きさが違うで間違えることはありません。

端子は、差し込む時に場所によって固い箇所もありましたので、オスの端子が曲がらないように慎重に奥まで差し込みます。

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端子台をスピーカー端子が斜め上を向くように、ドライバーを使いプラスの溝が切ってあるスクリューで固定します。

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スピーカー端子用コードをキャビネットの穴から取り出し、スピーカーユニットに接続します。

この時に、スピーカーユニットのコーンを傷つけないように丁寧に扱ってください。こちらも、オスの端子が曲がらないように慎重に奥まで差し込みます。

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スピーカーユニットの端子(スピーカー端子用コード)が下を向くように、六角レンチを使い六角穴があるスクリューで、スピーカーユニットを固定します。

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これで、スピーカーの組立ては完成です!(もう一台も同様に組み立ててください)


このスピーカーのキャビネットには、ウッドコーンスピーカーの能力を十二分に発揮させるため、チェリーの無垢板が使用されています。

天然の木の木目は美しく、木の素材自体が持つ暖かみがありますよね。

(塗装は下塗りなので手で触ると若干ガザついています。この状態でも十分に綺麗ですが、仕上げ用の目の細かいペーパーでピカピカに磨くともっと魅力的なスピーカーなると思います)


ここからは、リスニングについてなので少しモードを変えます

フルレンジのほぼ軸上で聴く点音源再生のサウンドは、ピアニッシモの反応がよく、演奏者の位置や語りかけるようなメッセージまで克明に伝え、柔らかい自然な音の響きを奏でる。

アコースティックの楽器やボーカルは生々しく、必要以上の音は出さない粒立ちの良い音。

小口径シングルユニットの情報量から見て、このスピーカーに大編成オケの再現性を求める人は少ないと思う。

室内楽の小編成ユニットやアコースティックギター ・ ピアノの美しい音色をじっくりと味わいたい。

ポップスは音源次第だが、diva(ディーバ)と呼ばれる歌姫たちのボーカルを、このスピーカーを通して聴くととても魅力的だ。

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最後に、このウッドコーンスピーカーには、コンパクトスピーカーならではの魅力がいっぱい詰まっていると感じました。

このスピーカーに注いだエンジニアの情熱(というか執念)まで知っているので、このスピーカーをずっと大切にしたいと思います。

これからは自作の楽しみで、世界でただ一台のスピーカーを目指し、もう少し自分好みのサウンド仕様に仕上ていきます!


このスピーカーキットの詳しい商品情報はこちらからご覧いただけます。

≫商品はこちらiconより購入できます(ioPLAZA)

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2009/01/12

日本ビクター SX-WD1KT(ウッドコーンスピーカーキット) Vol.1

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    ■ 日本ビクター  SX-WD1KTicon
      (スピーカーキット 2本1組)

ピュアな響きにこだわった、バスレフ型 8.5cm フルレンジ・ウッドコーンスピーカーのキットです。

このスピーカーキットは、同社のウッドコーン・オーディオシステム EX-AK1 で構成されているスピーカーをベースにハンドメイド化したものだそうで、ウッドコーンならではの暖かい音色が想像できます。

また(一回だけ下塗りされた)キャビネットは既に組み立てられていますので、クラフトマンの精神を愉しみながら、誰でも簡単な工作で組み立てることができ、お好みの塗装で仕上れば世界でひとつだけのオリジナルスピーカーの完成です。

オーディオの自作って、どういう音が出るか想像しながら手作りする喜びがあり、最初に音が出た瞬間は感動ものなんですよね!

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まずは、構成部品の紹介から・・・

上の画像はウッドコーンスピーカーユニットです。

センターキャップとコーンに、伝搬速度と内部損失に優れる天然のカバ(樺)材が採用されています。

つい最近の記事でも紹介した、開発エンジニアの拘りがいっぱい詰まっているユニットですね。

 ▼ 過去の記事はこちらをご参照してください。

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.1
「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.2
「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.3
「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.4
「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.5
「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.6

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製品版(EX-AK1)のカタログを見ると、ボイスコイルには OFC 線をエッジワイズ 4 層巻き、磁気回路は強力なネオジウムマグネットとフェライトマグネットを採用、フレームは堅牢なアルミダイキャストでしっかりと支えている、と記載されていました。(ショートワイヤーは省略されていました)

ただ、このユニットに採用されているパーツの詳細は調べることが出来ませんでした。(たぶん同等のパーツだと思いますが、ビクターさん、教えてください!)

ちなみに、ユニットは防磁設計されています。

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スピーカユニットの重量を計測してみました。

だいたい 410g 前後で、見た目よりズシリとした重量感があります。

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“スピーカー端子台”と“スピーカー端子用コード”です。

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スピーカー端子は金属製で、メッキ処理が施されていました。

スピーカーケーブルを直接接続する場合はネジ部にあいているφ5mm の穴(左上画像)を利用し、バナナプラグを接続する場合は φ4mm の穴(右上画像)にプラグを差し込みます。

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(スピーカーユニットと端子を接続する)スピーカー端子用コードは、すでに平型ギボシ端子(メス)が圧着されています。ハンダ止めでなく圧着ですので、ハンダで音が変わるといった心配はありません。

また、配線済みのギボシ端子は大(+)と小(-)があり、プラスとマイナスの極性を間違えて接続できないようになっています。

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吸音材は、粗毛フェルト(黒)と再生羊毛フェルト(白)の 2 種類があります。

素材は 200×170㎜ の大きさで各 2 枚用意され、自分でカットしてキャビネット内部に(接着剤で)貼り付けることになります。

貼り付ける位置と大きさで音質が変化する部分ですので、本当にカット・アンド・トライでクラフトを楽しめますね!

(カットする標準的な大きさと貼り付ける位置は、組立てマニュアルに図解で記されています)

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バスレフダクト。材質はプラスチック製でした。

ダクト内径は φ24㎜ 、全長は約 160㎜ で、ダクトの先端は斜めに成型されています。

また、抜け落ちないようにダクトの端部にはリブがあります。


その他の付属品は、“スピーカーユニット用スクリュー”と“スピーカー端子台固定用スクリュー”があります。

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今回はここまでです。

なお、このスピーカーキットの詳しい商品情報はこちらからご覧いただけます。

次回、組み立てと聴感レポートに続きます!!

≫商品はこちらiconより購入できます(ioPLAZA)

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2008/12/28

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.6

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スタジオにて(ビクターさんが渾身のセッティングをしてくださいました)ウッドコーンオーディオシステム EX-AR3 を試聴しました。

上の写真を撮影した位置がリスニングポイントなので、あんまり好条件とは言えませんが、音の傾向くらいは伝えられると思います。

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音楽ソースについては、ビクターさんが用意してくださった「K2 HD(High Definition) MASTERING」にて録音された CD を主に試聴しました。

※「K2 HD MASTERING」とは、CDのフォーマットでは再現できない 22KHz 以上の音(人は100KHzくらいまで実は認識しているので、それ以上の帯域をカットすると不自然さを生じる)を、24bit 高分解能データにて標準CDフォーマットに記録する技術

では、早速レポしましょう。

まず最初に感じるのが、透明感に満ちた艶やかな音色であること、特にピアニッシモの繊細な音色をみごとに表現しています。

音像の定位が鮮明であり、中域に魅力を感じるタイプなので、ボーカルや室内演奏の弦楽器、ピアノの演奏などのアコースティックサウンドに向いていると感じました。

三味線の弦をはじく音、フルートの息づかいまでリアルに表現し、アカペラの女性ボーカルは非常に艶であり聴き惚れてしまったほど。

クラブハウスのジャズを収録したものは、目をつむると雑踏や空気の粒子感までも伝わり、あたかもそこに居るような錯覚すら覚えてしまいます。

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「HIS MASTER’S VOICE」

ビクターの商品に記され、最高の技術と音質の象徴として、深く信頼され愛されていますね。


以下は、これまで公開していなかった画像になります。

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最後にビクター関係者の皆様、アジャイルメディアネットワーク様、今回は大変お世話になりました。この場をお借りして深くお礼申し上げます。大変ありがとう御座いました。


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■ 日本ビクター SX-ED1KT(スピーカーキット 2本1組

実は、ウッドコーンSPの PP の魅力に惹かれて購入してしまいました!

簡単な組み立ては冬休みの宿題にして、エージングを終えた日には商品レビューをしたいと思います。(箱鳴りをあまりおこさず、重量が軽いコンパクトスピーカを鳴らしきるのは結構難しいんですよね)

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2008/12/25

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.5

続いては EX-AR3 のプレーヤーとアンプ本体についてです。

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増幅回路には、ビクターのデジタル技術を終結したデジタルアンプ、第3世代の「DEUS(デウス)」を搭載しています。

先ず PWM 変調回路ではデジタル・フィードバックをして高精度な PWM 信号を生成。

スイッチングパワー段ではデジタル増幅過程で発生するノイズや歪み、接続したスピーカーからの逆起電力も排除するアナログ・フィードバックにて、デジタルアンプの高音質化を実現しています。

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また、圧縮されたデジタル信号を高音質化する「K2テクノロジー」を搭載。

これは、ビクターエンターテイメントと協力し開発した独自の高音質化技術で、ビクターのレコーディングスタジオやマスタリングスタジオの高音質も支えています。

アナログ信号からデジタル信号への変換や、デジタル信号圧縮処理の際に欠落する音楽情報を、変換前の信号波形を想定して再生成する独自の技術で、実際にCD の 1/10 くらいの情報に間引きされた MP3 のソースを「K2テクノロジー」を通して聴いてみると、信じがたいほど表現力豊かになっていました。

(K2テクノロジーは、1987年に開発をスタートして以来、進化しつづけています)

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本体のボトムシャーシには厚さ 12mm のアークベース(画像で黒くみえるプレート)を固定し、不要な共振を抑えるほか剛性の向上と低重心化を実現しています。

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3点支持のインシュレータは、真鍮を組み合わせたハイブリッド構造。

真鍮素材は重心を下げる効果もあります。

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ディスクトレーの材質は、ガラス入りの樹脂を採用し高剛性化を実現。

おもて面にはスエード調の塗装が施されています。

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トレーの裏側はハニカム構造のリブを成型し、さらに強度を高めています。


本当は、内部の構成部品や基板回路(特に電源部)についてレポートしたかったのですが、(情報不足のため)本体の情報はここまでです。

次回に続きます>>

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2008/12/24

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.4

ウッドコーンのポテンシャルを最大限に発揮する工夫を紹介します。

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EX-AR3 スピーカーに採用されている吸音材は木製で、吸音率に優れたメイプルのチップ材を使用。

この吸音材は高域の抜けの良さ、高解像度、楽器の分離等大幅を実現!鳴りっぷりの良さを大幅に進化させています。

(一般的なウール素材やフェルト素材は使用されていません)

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スピーカー内部のキャビネット底板部に、2 層 5 つのパーツから成る竹響板を配置。

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竹響板と併用しチェリー響棒も配置。

“竹響板”+“チェリー響棒”は、スピーカーユニットの振動による加震を積極的に音質向上につなげ、重心の低い低音再生と低音の解像度を高め、サイズを超えた音場表現力に貢献しているそうです。

キャビネットはチェリー無垢材なので、キャビネットまで木製楽器のように使うあたりがスゴイ!

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    スピーカーユニットの磁気回路パーツ

ネオジウムマグネット、銅キャップを被せたポールピース、アルミショートリング。

前モデルに比べ、細かな改良がされているそうです。

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    左:フェライトマグネット 右:ネオジウムマグネット

非常に強力なネオジウムマグネットが、ウッドコーンスピーカユニットに使用されています。

左のフェライト製は比較のため用意されたもので、どちらも強さは同じくらいだそうです。

スピーカーをコンパクトにするには、このネオジウムマグネットが無ければ実現しません。もちろん音にも貢献しています。


他には、バッフル面にスピーカーユニットをマウントしたときに一体化する“フラッシュサーフェイス”、ボイスコイルのOFC(無酸素銅)線材を厳選、前モデルに比べスピーカーユニットの大口径化やキャビネットの容積拡大などの様々な試みがされています。

すべては良い音のため ・・・ このスピーカーに注ぐエンジニアの熱意やこだわりが、お分かり戴けましたでしょうか。

次回に続きます>>

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2008/12/23

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.3

「スピーカーは楽器でありたい!」

ウッドコーンスピーカー開発の原点であり、技術者の思いです。

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(木製の弦楽器や打楽器の美しい音色を想像すればわかると思いますが)音の良い楽器のように振動板を木で作りたい、振動板に無垢の木材を使用すればいい響きがでる、もっと自然な音、原音に近い音が再現できるはず!というアプローチでウッドコーンスピーカーの商品開発が始まりました。

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    ▲ 試作品です

ウッドコーン振動板の開発は20年も前からで、当時は扇形状の薄板木材シートを貼り合わせた振動板を試作したそうですが、結果は音は良くなるものの安定品質が得られず量産化には成し得なかった。木材なので高温多湿での環境に弱く、経年変化による劣化が見られたようです。

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ここからは、商品化されているウッドコーンについて・・・

材質の選定は、伝搬速度と内部損失の物性値が優れている無垢の木材(カバ・シナ・ブナ・オーク・チェリーなど)のなかで、理想に近い特性値のカバ【樺】の無垢材が採用されました。

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成型の第一段階はカバ材を薄くスライスし、必要サイズにカットするところから始まります。天然の木を使用していますので、木目にも気を遣わなければなりません。伝搬速度を速くするため、木目はこの向きです。

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【1次プレス後の振動板】

V字形状にカットして、プレス機で振動板の形状に成型します。

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この段階で、ただプレスしただけでは問題が発生!木なのですぐに割れてしまいます。

上の画像を見ると、中心部付近に“ヒビ割れ”を起こしているのが分かると思います。

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そこで日本酒の登場(真面目な話ですよ~)。

このヒントを得たのは“スルメの干物”から~ いつもの飲み屋さんで日本酒に一晩つけたスルメが柔らかい!コレは使えるかも???

早速、木材を日本酒に浸しプレスしてみると割れが発生しません!

どうやら、日本酒の“ブドウ糖”や“グリセリン”などの成分が良い方向に作用しているようです。

ちょっと(飲み屋さんあたりが)自分的にはついていけない世界ですが・・・でも、素晴らしい発想だと思います☆

(日本酒と同じ醸造酒の赤ワインでも試されていて、こちらは割れが発生しないものの糖分が多すぎて“ベタベタ”になってしまい採用見送りというエピソードもあったそうです)

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【2次プレス後の振動板】

温度や湿度の変化にも耐えて、音にも好影響な木材専用の“熱硬化性樹脂”を含浸(がんしん ⇒ 組織内部に機能成分を浸透・固化する方法)し、2次プレスをします。

※樹脂(プラスチック)は、大きく分けて“熱硬化性樹脂”と“熱可塑性樹脂”の2種類があります。熱硬化性樹脂は、一度加熱し固化すると再度熱を加えても溶けることはありません。

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【3次プレス後の振動板】

最終プレス、防湿加工をして形状を安定させます。

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コーン振動板の厚み。↑クリックして拡大表示すると分かりやすいです。

“コーン”についてウンチクすると、英語の cone (円錐状のもの)という意味です。アイスクリームのコーンも形状からそう呼ばれています。トウモロコシのコーン(corn)とは別物ですよ~

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【完成した振動板】

内側と外側をスピーカーの形状に型抜きし、エッジを貼り付けます。

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製造過程を右から順番に並べてあります。

完成までに約 4 年の歳月をかけて、木の音色を残しながら形状を固定しています。

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     ▲1世代前のウッドコーンスピーカー

木の素材ですので歳月とともにアメ色に変化します。長期使用していると愛着が湧いてきそうなスピーカーユニットですね。


ビクターでは“ウッドコーン”という理想に近い素材を手に入れることができました!

次回に続きます>>

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2008/12/22

「日本ビクター EX-AR3 ウッドコーンオーディオシステムの魅力」 Vol.2

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日本ビクターのオーディオ機器開発に連携している“ビクタースタジオ”の存在があります。

機器開発時の音の基準は、ビクタースタジオで録音したマスターテープですので、これ以上の音源は無いに等しいです。

つまり、最高のクォリティを持つ音源(マスターテープ)にて、音決めが行われていること!

ソフト制作ではアーティストが宿した思いを忠実に記録し、ハード制作ではマスターテープの音質感までを伝えるオンリーワン商品の開発。

音の基準にブレがなく、ソフトとハードの技術・設備を連携し、技術を進歩することにより新たな感動を創造している。

これはソフトウェアとハードウェアの両方を持つ、ビクターさんだから可能になっています。

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   ▲ 画像は試聴用に用意されたものを撮影しました。

実はこのウッドコーンスピーカー、録音スタジオにて使用されています。

音質・バランスなど最終確認のモニタースピーカーとして実際に活躍!

妥協を許さない、本当に気に入った機材しか使用しないのがスタジオの現場ですので、これは“本物”だと言わざるを得ませんね。

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