Canon iVIS HF21 |モノフェローズ・レビュー(3)

ビデオ映像は連続した写真(画像)と音声を記録したものですが、オートフォーカスでは被写体が何であるかビデオカメラ自身に判断させたり、動いている被写体にあわせて撮影者が移動する場面があるなど、写真とはまた違うアプローチでの技術が求められています。

特に繊細なハイビジョン映像では、わずかなピントのずれや手振れが目立ちやすいもの。

そこで、今回はキヤノンさん独自の映像デジタルイメージング技術を紹介します。

このレビューは「みんぽす」の無償セミナーに参加して書かれています。(詳細は末尾で)


■ ハイブリッドAF(オートフォーカス)

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iVIS HF21に搭載された「外測AFセンサー(黄色の丸枠部)」

従来機種では、オートフォーカスにコントラスト検出方式(一部のデジタルカメラで採用されている、レンズより入力された画像の色や輝度を解析して利用する方式)を採用していたそうですが、本格ハイビジョン時代を迎えて、わずかなピントのズレまで分かってしまうようになり、精度の高い距離計測が求めらるようになりました。

オートフォーカスは、サーボ機構のように位置検出とフィードバックを繰り返して行い正しい位置に制御するようなシステムで、レンズより入力された画像を解析し、フォーカスレンズを徐々に移動させてピントの合う位置を検出しています。

デジカメで静止画を撮影するときは、シャッターボタンを半押し(オートフォーカス)して被写体にピントを合わせる訳ですが、動画の撮影では録画ボタンを押せば自動的に記録が始まり、被写体の動きや撮影者の動き、パン・ズームの操作によって変化する被写体の位置を検出して、ビデオ側で絶えずピント合わせしています。

ただ、ピント合わせしている時間はピンボケの映像が記録させており、また、正確なピント合わせをしないと情報量の増えた繊細なハイビジョン映像を再生した場合には、わずかなピントのズレがすぐに分かってします。

そこで、iVIS HF21 で採用したのは『外測AFセンサー』と先に説明した『コントラスト方式』による、ハイブリッドAFシステム。

この『外測AFセンサー』とは、被写体とカメラの距離を瞬時に計測する「外部位相差センサー」のことで、2枚の専用レンズを並列に置き、この2枚のレンズの中心間隔(ピッチ)とレンズの焦点距離、センサーの受像素子に光入力された信号ズレ(位相差)をパラメータにして、計算値により距離を計測しています。

ただ、精度の高いものを製作しようとすると専用レンズの大きさも巨大になりコストも掛かってしまうので、この『外測AFセンサー』は精度よりも小型化を優先させ、最終的なピント合わせはコントラスト検出方式でオートフォーカスを行っているそうです。

このハイブリッドAFシステムのメリットは、『外測AFセンサー』で計測した距離を元にフォーカスレンズを素早く移動させてピント合わせ出来る点や、暗いシーン・輝度差の少ない低コントラストの被写体に(比較的)強い点など、2つの方式の欠点を補い、素早く・高精度で・安定したオートフォーカスを実現しています。


■ ハイスピードAF(オートフォーカス)

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「ハイスピードAF」と「フェイスキャッチ」を体験できる環境が用意されていましたので、レポートします。

上の画像はどこにも焦点を合わせていませんが、手前側に花束、モデルさんが奥にセッティングしてることは、遠近感や被写体の重なり具合でお分かりいただけると思います。

まぁ、言葉で伝えるより、映像で確認するほうが早いので、「ノーマルAF」と「ハイスピードAF」の違いを、とりあえずご覧ください。

「ノーマルAF」はコントラスト検出方式のみのオートフォーカス、「ハイスピードAF」は、上記のハイブリッドAFを利用したオートフォーカスです。

「ハイスピードAF」だと、ズバッと被写体にピントが合うのがお分かりいただけると思います。

遠景と近景を素早く切り替えたいときや、動きの速い子供やペットの被写体を追いかける時などに有効だそうで、フォーカス速度が速ければ速いほどチャンスを逃さない映像撮影が可能になりますよね。

「外測AFセンサー」はレンズ横の下側にあり、普通に撮影する場合は問題ない位置にあると思いますが、「外測AFセンサー」があればこそのハイスピードAFですので、このセンサーを何かで覆わないように覚えておくのも良いかもしれません(上位機種のiVIS HF S11では、レンズユニット内にマウントされています)。


■ 手ブレ補正(ダイナミックモード)

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iVIS HF S11の本体とレンズユニット(iVIS HF21ではありません)

ビデオ本体の約1/3を占めているレンズユニットに、光学式の手振れ補正機構が内蔵されています。

光学式ですので画像劣化が少ないのがメリットであり、独自ボールポイント式のレンズシフトで応答性が速いなどの技術がぎっしりと詰まっています。

また、歩きながらの映像撮影を想定した「ダイナミックモード」が搭載され、従来機種(2009年2月発売のiVIS HF S10)と比較して、約14倍もの手振れ補正のレンジをカバーしているそうです。

(ちょっと話がそれますが、このレンズユニットはほぼ無音に近い静音設計がされています。記録メディアがHDDからメモリカードになり、レンズユニットの動作音にも気を遣っているそうです)

ダイナミックモードを体験撮影してきた映像ですが、こういう撮影会の経験が全然無いのと、いつも手振れには細心の注意を払っているので、ちょっと違いが判りづらくなってしまいました。

モデルさんの可愛らしさと若さに免じて、(オイラを)許してやってください(笑


■ コーデックエンジン

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先の記事で紹介した「DIGIC DV III」が装着されている基板(両面実装)の裏側で、ビデオ映像と音声をリアルタイムにAVCHDで高圧縮・高伸長するレコーダ部の専用プロセッサが装着されています。

(一部ジャンパ線が見えますが、コレは試作品とのことで製品版には改良された基板が装着されています)

簡単に編集して作品風に仕上げてみました。フェイスキャッチテクノロジーで、ピンボケが目立たない点にも注目してください。

(ちなみに人物の動画は撮影も編集も苦手なジャンル・・・読者サービスですよ~♪)


このシリーズ記事は、次回より貸出機を使用して実機レビューを開始します!

≫つづく

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※このレビューはWillVii株式会社が運営する レビューサイト「みんぽす」から招待されたセミナーに参加して書かれています。本セミナーへの参加及びレビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)。WillViii株式会社みんぽす運営事務局