【B-SAT 川口衛星管制センター】埼玉県の川口市内に巨大なパラボラアンテナが6基ある施設を発見!
施設の外側をぐるりと回っていると、出入口のゲートと思われる場所に、「B-SAT 川口衛星管制センター」との施設名が記載された、看板がありました。
あとから調べたところ、「株式会社 放送衛星システム」の衛星管制センターであることから、放送専用に設計・製作された人工衛星の、軌道修正および姿勢制御するための施設である、ということが分かりました。
「株式会社 放送衛星システム」という会社は、ほぼ国営企業の日本放送協会(NHK)が、株式の50%以上を所有している会社だそうです。
日本の放送衛星(Broadcasting Satellite)は、インドネシアの(東経110度の赤道線にある)ボルネオ島上空、高さ36,000キロメートルの位置に、地球からは止まっているようにみえる、地球の自転に同期して飛行している「静止衛星」ですね。
衛星はこの軌道を、1時間あたり1万1千キロメートル(時速:11,000km/h)という、物凄い速度で飛行しています。
人工衛星を引き寄せる地球の引力(GM:39,8332 km3 / s2)と、高度を変えずに地球を周回して飛行する衛星の遠心力(周速:約3km/s)が、ちょうど釣り合うあたりが、赤道線上空の高度36,000キロメートル。
ロケットの尖塔部に搭載されて、地上より発射された衛星は、ロケットから切り離されたあと、閉じられた太陽電池のパネルを開いて、自分の力で高度36,000キロメートルまで飛行します。
軌道に乗ったあとは、エンジンなどの推進力を必要とせずに、この高度36,000キロメートの軌道を飛行するようにプログラムされ、地球を周回しています。
地球の周りを24時間(正確には23時間56分4秒)でちょうど一周するので、自転している地球の地上から見ると、いつも一ヵ所にの場所にいる(静止しているように見える)ことになります。
人工衛星は、太陽や月の引力の影響などを受けて、地球を周回している軌道が、少しずつずれていきます。
衛星の状態は、地球に向けてテレメトリー信号が常時送られてきており、このアンテナで受信して24時間体制で監視されています。
必要があれば、衛星の放送用アンテナが決められた角度で日本へ向くよう、姿勢を制御するために、衛星へコマンド信号を発信しているのも、この巨大なパラボラアンテナなんですね。
人工衛星は、地球より送られたコマンド信号を受信し、正しい位置に軌道修正させるため、自らの姿勢を維持するために、エンジンを噴射しています。
このエンジンを噴射するための、燃料が切れることで、衛星の寿命を迎えます。
BS放送用の電波を、放送衛星に向けて発射しているアップリンクセンターは、こことは別の場所にあります。
衛星が中継局となり、日本に向けて増幅して発信された電波を、地上で受信することで、テレビなどの映像機器で衛星放送が見られるのですね。
宇宙へのあこがれから、人口衛星などの部品をつくっている会社に在籍したことがありますので、こういう施設が普通の住宅地で、身近にみられるのは、とてもうれしい限りです。大きなパラボラアンテナを、近くからみると、とても迫力がありますよ~!
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