【NIKON D500 レビュー】期待を裏切らない完成度の高さ、高機能にゾッコン
ニコンDXフォーマットのフラッグシップ機である、D500[ボディ] が発売日(2016年4月28日)に届いていました。
D500発表日(2016年1月6日)の翌日に、ビックカメラへ予約を入れてから、約1ヶ月の発売日延期などもあり、かなり待たされましたから、手に入れた時の喜びも一入です。
というか、D300Sのディスコン以降に、暫くのあいだ後継機が発売されていませんでしたから、もう待ちくたびれたという方も多いのでは、と感じます。
自分の場合は、D300Sと同じイメージセンサーを搭載したD90がDSLRの入門機で、渋々D7100にステップアップした訳ですが、D300Sの後継機が欲しかったのが本音。
指定納品書の用紙がコーポレートカラーと同じ黄色のニコンさん、本当にありがとうございます!
では、NIKON D500について、ユーザー目線でレポしたいと思います。
先ずは開梱から。。
梱包箱のロックを外して、上フタを開き、両サイドのフラップも開くと、上段には使用説明書や保証書、カスタマー登録カードなどが同梱されています。
保証書には製造番号(シリアルNo.)が印字されているのですが、タイの工場で生産されたカメラ本体の製造番号は7百番台でした(自分はビックカメラで予約していました!)。
上段の書類各種を取り出し、仕切りのフタを開くと、カメラ本体と付属品が下段にお目見えします。
下段に同梱されていた付属品は、
- ストラップ(AN-DC17)
- Li-ionリチャージャブルバッテリー(EN-EL15 Li-ion20)
- バッテリーチャージャー(MH-25a)
- USBケーブル(UC-E22)
- USBケーブルクリップ
- HDMIケーブルクリップ
です。
ファインダーアイピースとボディーキャップは予めカメラに装着されていますが、シューカバーは付属していなかったので、アクセサリーシューカバー「BS-1」を後から200円くらいで買い増したよ。
アクセサリーシューカバーは、ニコンからは樹脂製のほか、ステンレスやレザーの高級タイプも発売されていますので、ホットシューの保護が必要でしたら、ドレスアップも兼ねてお好みでどうぞ。
また、型番(D500)が載っている付属品のストラップは好みではないので、ニコンダイレクト限定商品の、「Nikon」と型押ししてあるレーザー製ストラップを、別途購入しています。
Ta-da!
ニコンDXフォーマットデジタル一眼レフカメラ「D500」カメラボディ。
DXフォーマットのフラッグシップ機です。
本体の大きさは、ハイアマチュア向けのD7200よりも一回り大きく、幅と奥行きはFXフォーマット機のD810に匹敵するサイズです。
背面をみると、チルト式の液晶モニターが搭載されているのがわかります。バリアングル式は、左側のボタンが配置できなくなる理由で、非採用とか。
アイピースが丸型になっており、他の上位機と同じ様でカッコいいですね。アイピースの取り付け部はD5と共通ですので、ファインダーのアクセサリーをD5と共有することもできます。
便利機能は、AFでフォーカスポイントを自分で選ぶ時に、サブセレクターを搭載したことにより、マルチセレクターで行っていた操作が、D5と同じ操作系でスピーディに行えます。
ボディ本体は、マグネシウム合金の鋳物(上面カバー+背面カバー)と、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの射出成型品(前面カバー+前ボディ)を組み合わせた、ハイブリッド構造です。
防塵・防滴対策が施され、防滴性能はD300Sと同等なんだとか。
このカメラを購入するにあたり、動機付けたのは以下の機能が、備わっていたからです。
- 最高常用感度ISO 51200の高感度性能
- -4 EVまでの低輝度対応
- 200コマまで連続撮影が可能
- 約10コマ/秒の高速連続撮影が可能
- 広域・高密度の153点位相差AF(99点のクロスセンサー)
上記に加えて、DXフォーマット機ならではの望遠効果、も挙げておきます。
D500を購入するには、ある程度まとまったお金が必要になりますので、現在所有しているDSLRの機能と比べて、何らかの利点が無いと簡単には買えないです。
欲しいと思える機能が無い、もしくは、少なければ、当然見送りも検討します。
撮影スタイルによるところはありますが、自分の場合は手持ち撮影が基本で、照明は地明かりが多く、被写体は乗り物や人物などの動体もよく撮影しています。
まわりが非常に暗い環境で撮影すると、ISO感度を上げれば手振れのリスクは減りますが、ノイズの発生が気になります。肉眼では被写体が見えているのですが、カメラのファインダーを覗くと像が暗くなりますのでマニュアルフォーカスではピントの山がつかめず、カメラのAF性能に頼ることになります。なので、上記の1と2は特に欲しい機能。
高速連続撮影は、動体の被写体の位置が非常に近い場合や、高速に移動する被写体を撮影するには、あって欲しい機能で、特に連続撮影枚数については多いほど良いです。バッファの容量が足りなくて、撮りたいとイメージしていたフレームに到達する前に、カメラの記録が追いつかず、シャッターが切れなかったことが数え切れないほどあり、悔しい思いをしましたので、3と4も必須です。
153点AFシステムについては、絵づくりが非常に楽になります。なにしろ、フレームいっぱいにF5.6に対応したAFポイントが網羅されている訳ですからね。フレームの端っこに、主題の被写体を配置して、明快に写真で表現するには、それなりの技量が必要と思われますが、ボケなどを活かした作品づくりには便利な機能です。
一般的な利用では、このカメラに死角なしです。先進機能がてんこ盛り。
撮影場面によっては、
- 有効画素数2,088万の新型撮像素子
- 光学ローパスフィルターレス仕様
- 電子先幕シャッター
- 4K UHD(3840×2160)動画対応
- チルト機構採用の3.2型タッチパネル式液晶モニター
- AF微調節の自動設定
- 静止画のフリッカー低減機能
- Wi-Fiと純正アプリの対応によりスマホやタブレットと連携
など、非常に役に立つ機能も、予め備わっております(新しい機能が満載です)。
カメラ上部をみると、(左側の)撮影モード切替スイッチが、モードダイヤル式でなく他のプロ機と同様の、“四葉ボタン”が搭載されていることがわかります。
シャッターボタンの近くには、使用頻度の高い“ISO感度ボタン”と“露出補正ボタン”が、配置されております。“ISO感度ボタン”は、高感度側の特性が向上していることから、この位置に配置されているものと、思われます。
ペンタプリズム部の、ホットシュー両脇にみえる凹凸のラインは造形であり、内蔵フラッシュは(どうせ使わないんでしょ、という理由から)非搭載となっております。
“四葉ボタン”には、
- MODE : 露出モードボタン
- WB : ホワイトバランスボタン
- QUAL : 画質モード/画像サイズ/ツーボタンリセットボタン
- : 測光モードボタン
が配置されておりました。
測光モードは、“マルチパターン測光”、“中央部重点測光”、“スポット測光”のほか、ハイライト部分を重点的に測光する“ハイライト重点測光”モードの機能があります。
自分の場合は、(舞台が明るく観客席が暗い)コンサートの撮影を依頼されることもあることから、“ハイライト重点測光”モードの機能は重宝しそうです。
なにしろ、明暗差が激しすぎるので、コンサートの主役である演奏者が、(マルチパターン測光では)白トビしている場合もありますのでね。
すぐグリップを握ってみましたが、深めに握れるように設計されていて、カメラ本体のホールド性はすごく良いと感じます。
グリップとカメラボディは別素材ですが、日本のメーカー製らしく、繋ぎ目の僅かな段差のバラツキは仕方ないとして、隙間は皆無といっていいほどありませんでした。
(初期ロット品なので、部品同士が合わさる部分に、多少の段差等は覚悟していましたが、そんなことは感じさせず、初期品から完成度は高かったです。)
前面には、“シンクロターミナル”と“10ピンターミナル”が搭載されていて、プロ機としての風格があります。
チルト式の画像モニターは、3軸ヒンジ構造のギミックな機構になっておりますが、画面を傾けるのに難しい操作は必要ありません。
画像モニターの上部と下部に突起がありますので、上に傾けたい時には“下部”の突起を、下に傾けたい時には“上部”の突起を、あまり力を加えずに、傾けたい方向へ指で突起部を動かすだけです。
強度に関しては、やや不安に感じるかもしれませんが、何度もテストを繰り返し、そう簡単には壊れないようなつくりになっておりました。
画面を上に向けると、(ライブビュー撮影時に)“ローアングル”や“真上の眺望”の撮影で便利そうです。
画面を下に向けると、(ライブビュー撮影時に)“ハイアングル”や“すぐ真下の俯瞰”の撮影で便利そうです。
メモリーカードスロットは、XQDカード×1、SDXCメモリーカード×1、に対応したダブルスロット。
(左側面)
「WiFi」と「Bluetooth」 のアイコンが印刷されています。
※ Wi-Fi(無線LAN) ⇒ 準拠規格:IEEE802.11b、IEEE802.11g
※ Bluetooth ⇒ 通信方式:Bluetooth標準規格 Ver.4.1
左側面の端子カバーを開けると、
- USB端子(USB 3.0 Micro-B端子)
- 外部マイク入力端子(ステレオミニジャック φ3.5mm)
- ヘッドホン出力端子(ステレオミニジャック φ3.5mm)
- HDMI端子(Type C)
にアクセスできます。
付属のバッテリーをフル充電して、本体のバッテリー室にセット、電源スイッチを入れてみました。
(スマートフォンとの設定はパスして)先ず行いたいのは、セットアップメニューの中の「地域と日時」の設定。
あとは、レンズやメモリーカードを装着しないで出来る、ボタンの操作などで異常が無いことを一通り確認して、電源を切りました。
なお、完全に付属のマニュアルは無視してます。早く撮影したい気持ちはありますが、何か起きたときにトラブルシューティングが難しくなるので、整理して各機能を順番に確認しております。
マニュアルには、「撮影前の準備」が記載されているので、「ストラップを取り付ける」の項目から始まっていますが、一般的にはそちらを参考にされてください。
液晶保護フィルム。
必須ではありませんが、カメラを永く愛用したいから、いつも購入して使用しています。
D500の液晶モニターは、防汚コートが施されていないので、画面のタッチ操作を考えると、付けておいて良いかもしれません。
液晶保護フィルムは、コツをつかめば、うまく貼れますね。
(とは書きつつ、一度目は位置合わせで失敗したので、水洗いして水滴をエアダスターで飛ばして、二度目は(ほぼ)完璧な位置に貼れました。気泡などの発生は皆無です。)
D500のために、128GBのXQDメモリーカードを買いました。
64GBの容量でも良かったのですが、動画撮影のことを考えて128GBにしてみました。
ダブルスロットで、SDメモリーカードにも対応していますので、手持ちのSDカードが余っていましたら、所有するSDメモリーカードも(カメラが対応していれば)利用できます。
XQDメモリーカードの利用機器は(現在)限られているので、現時点では汎用性はあまりありません。
この規格を採用するメーカーが増えない限りは、利用機器の専用カードとなってしまう可能性もあります。
ただ、D500で約10コマ/秒の高速連写、14ビットロスレス圧縮RAWの200コマ連続撮影を、実現するには必須です。
(XQDメモリーカードは、SDメモリーカードでいつも問題になっている、接点の剥き出しについて、カバーされ保護されている点が◎です。)
XQDメモリーカードを、スロットに装着して、フォーマット。
これで、撮影準備は完了!!
あと、XQDカードリーダー。
いいかげん出費がかさみましたので、SONY製の安いやつをチョイスしました。
(もっと出費を抑えたかったら、付属のUSBケーブルをカメラに接続して、写真データの転送も可能です。)
SONYブランドの商品ですので、SONYらしく、外観はカッコいいです。
パソコンに接続すると、ブルーLEDが点灯します(アクセス時は点滅)。
さて、自分が所有する幾つかのレンズを装着してみました。
スナップショットで活躍しそうな、単焦点レンズの「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED」。
非常にコンパクトなカメラ・システムで、街中の撮影で活躍すること間違いなし。
いつも装着して、ボディーキャップの換わりでも良いのでは、と思えるほどのコンパクトさと軽量さ。
レンズキットの「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」が標準ズームレンズ。
が無難ですが、自分は超広角ズームレンズのコイツ(AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR)が、DXフォーマット機では標準ズームレンズ。
35mm版換算では、24-52.5mmに相当し、使い勝手と描写力は至極良いです。
特に、DXフォーマットのカメラに装着すると、マクロレンズ並みに接写できるところが、気に入っています。
「D500」+「AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR」の作例はこちらにあります。
⇒ 第18回 国際バラとガーデニングショウ2016へ行ってきました
シチュエーションによって、
- AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
- AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
- AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR
のズームレンズを、使い分けたいと思っています。
望遠系では、「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II」と「AF-S TELECONVERTER TC-20E III」の組み合わせ。合成F値はF5.6なので、153点すべてのフォーカスポイント(選択可能ポイントは55点)が使えます。
タムロンOEMの「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR(300-750mm相当/35mm版換算)」に、テレ端で焦点距離が負けますが、自分的にはこの選択肢「210-600mm相当/35mm版換算」が現時点では画質・重量などを鑑みるとベスト!
「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」と「AF-S TELECONVERTER TC-14E III」の組み合わせも、非常に魅力を感じていますが(今はお小遣いの関係で無理かも)。。
さぁーて、試写のために、街に持ち出してみました。
なお、この日のカメラシステムは、「D500」と「AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR」の組み合わせです。
先ずはプログラムオートで、スカイツリーをパシャリと一枚。
なお、ここからの掲載写真は、(リサイズしていますが)JPEGの撮って出しです。
スカイツリーの目の前の北十間川です。
(手前の花のボケ味は汎用レンズなので無視して、奥側の建物はしっかりと現像しております。)
東京スカイツリータウンに出掛けたのは、自宅から一番近いロケーションにある、水族館があるから、だったりします。
高感度撮影を試すためには、水族館での撮影が一番手っ取り早いから。なにしろ、フラッシュが禁止されている環境で、照明の暗い場所が多く、動いている生き物が被写体ですから。。
【ISO 16000】
ミズクラゲです。
感度自動制御機能を使い、ISO感度の範囲は 100~51200 に設定しています。
※ ここからの写真は、絞り優先オートで撮影しています。
【ISO 51200】
普通なら、手ブレか被写体ブレで、カメラ撮影を諦めてしまう場面でも、D500ならば何事も無かったかのように、撮影し続けられます。
水槽の反射を抑えるために、PL(偏光)フィルターを装着していますから、カメラにとっては、すんごく悪条件のハズですが。。
【ISO 28800】
クラゲの水槽の前で、サクサクと撮影できていたのは、おそらく自分だけ。
水槽の端で、周りの迷惑にならないように、優越感に浸りながら、ミズクラゲを試し撮りしておりました。
【ISO 51200】
生きた化石のオウムガイ。
水槽の中は、めっちゃ暗いです。ここまで暗いと、AFの効きが良くないのも仕方がないです。
【ISO 51200】
色の再現性に疑問はありますが、肉眼でも分からないほどに、暗いです。
ISO感度が 51200 でも、リサイズすれば、それほどノイズは気になりません。
小エビさんです。
人間の目では、どこに居るか分からないほど小さいですが、カメラの目を通してみると、エビの模様まで、よく分かります。
カメラで撮っておけば、あとから記憶以上の細かいところまで、楽しめますね。
【ISO 3600】
オットセイが暮らすプールを下から、アクリル越しに覗いています。
撮影距離は至近、素早く泳ぐオットセイが通り過ぎるのは、ホントに一瞬ですので、約10コマ/秒の高速連射で、動きを止めています(歩留まりは良く無かったですが・・なんとか写し止められました)。
【ISO 25600】
マゼランペンギンは、ペンギンプールの横側から、アクリル越しに観察できます。
【ISO 25600】
スイーーーと、気持ちよく泳いでいますね。
【ISO 25600】
ペンギンの室内プール。
明暗差がありすぎる。なので、アクティブD-ライティングは、カメラ任せのオートで撮影。
【ISO 51200】
期間限定で開催している、プロジェクションマッピング『ペンギンピクニック』を、俯瞰でペンギンプールを写した画です。
ショーが始まってから、ペンギンプールに駆けつけましたので、まわりには人垣でいっぱい。仕方が無いので、人垣の後ろから、チルト式の液晶モニターを使い、手を伸ばしてタッチシャッターで撮影しております。
あー、水族館での撮影が、こんなに楽になるなんて、思ってもいませんでした。
楽になった分、カメラの設定をいじくることが少なくなり、構図に集中できるのが良いですね。
カメラは、人間の目では見えない様な世界を、描写するのも得意としていますので、カメラの性能が上がれば、撮影できる限界の範囲も広がります。
精巧につくられた高性能な機器は“持つ”喜びがありますよね。高速連続撮影、ISO 51200の常用高感度性能、AFエリアの広さ、-4EV低輝度対応、視野率100%・対角視野角38°のファインダー、などの高機能が備わっているカメラですから“撮る”喜びもあります。
おそらくデジタル一眼レフカメラの名機として語り継がれるのでしょう!
ホントに死角が少なく使いやすいDSLRなので、暫くの間はメインのカメラとして、様々な場面で活躍してくれそうです。
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