JAL 機体整備工場&客室教育・訓練センター見学会(6)|客室訓練部レビュー
● お教室
お教室は、(今はカーテンが閉まっていますが)廊下から丸見えの状態になっています。
これは、居眠りしていたり、頬杖をついていたり、足を乱れたりしていないよう、常に客室内のお客様の視線があります!といった意識したつくりになっています。
普通の学校のように見えますが、何組がいつもこの教室を使うと決まっていなくて、その日の授業内容によって、教室が変わります。
あるフロアーのボードに、今日の何組はどこの教室を使います、という時間割が掲載してあるので、それに合わせて教室を移動しているそうです。
● メイクアップルーム
照明が薄暗い!と感じるかもしれませんが、“メイクアップルーム”では飛行機内の実際の明るさを再現しています。
私達が、空港内でCAさんを見掛けた時、派手そうなメイクに感じたかもしれませんが、この照明下で映えるようにメイクしていたんですよね。
入社教育の時に、某コズメティック会社の美容部員の方を講師に招き、同期同士で“すっぴん”になってから、アイシャドーはこう入れる、口紅はこういう色が良い、といった指導をを受けるそうです。
ちょっと鏡が斜めになっているのは、鏡から少し離れて自分を見たときに、足先まで写るようにしているからです。
この場所では、歩いてお客様の物を受け渡しをする“ビデオ・ロールプレイング”をしたり、最終的な「立ち居振る舞い」の授業もあったりします。
● 語学訓練ルーム
まず入社時の初期訓練で、このLL教室を使います。
国内線から国際線への飛行訓練時のほか、契約社員から正社員に切り替わる時の、ビジネスクラス・ファーストクラスの訓練などに、随時英語の訓練が盛り込まれているそうです。
一人ひとりが自分の声を録音して、発音の練習をしたり、文章の言い回しの練習をしたりするのですが、ネイティブの先生が訓練生全員を常にモニターしているので、ちょっと黙っていると先生がすぐに割り込んでくるそうです。
だから、この授業のときは、常にドキドキしながら受けている、と言っていたCAさんもおりました。
● リカー調合ルーム
▲ リカー(お酒)のキャビネット。鍵がかかっています!
国際腺サービスの時に、エコノミークラスでもライトカクテルをお出しすることがあるので、リカーの調合という授業もあります。
CAさん談 「実際に自分達が調合したお酒を飲む時間がございます」
日本航空でのサービスが変わり、今では食事とドリンクを同時にお出ししていますが、それ以前では、この“リカーカート”を使い、食事の前におつまみとお飲み物をお楽しみ頂いていたそうです。
このリカーカートとは、中がギッシリの状態ですと 70~80kg の重量があり、けっこう重労働だったとか。
飛行機の客室内は、上昇中ですと約7度の角度、飛行中でも約2度の角度がついているため、前方に行くときはいつも上り坂なので「かなり重たかった、重たいんですよ!!」、とCAさんの本音トークもありました。
▲ リカーカートの中は・・・?
あと、機内での急病人の中で一番多いのが、飲みすぎによる脳貧血。トイレに立たれるときに、バターンと倒れるケースが多いそうです。
飛行機に乗っているときは酔いやすく、だいたい3割増しで酔うと言われています。
お酒は、普段よりちょっと控えめにして頂くか お水などと一緒に楽しまれて頂ければと思います・・・と、CAさんよりアドバイスがありましたよ。
● 作法室
講師を招いて茶道の時間もあります。
● ギャレートレーナー
食事は、宗教上や健康上の理由で、ご予約して頂いたお客様には“特別食”を提供することもあります。
例えば、コーシャミールはユダヤの掟によって調理され、祈りを捧げられたユダヤ教信者の食事なので、機内では必ずシールを切らずに提供します。
他にも、スペシャルミールは沢山あるので、そういうことを新人訓練の時に習っていくそうです。
また、ビジネスクラスやファーストクラスでは、食材にも多岐に渡り、一皿一皿盛り付けを行います。
上のホワイトボードの写真は、チーズのカットの仕方が書き込まれておりますが、それぞれのチーズのカタチによって切り方も変わってきますので、こんな風にカットしてお客様にサービスします、といった訓練もされています。
つい最近までは、本物のチーズを使いサービスの練習をしていたそうですが、こういうご時勢ですので、授業の内容も変えているそうです。
● モック・アップ
▲ モックアップの外側
この施設は“モック・アップ”といって、実際の飛行機に見立てた施設の内部で、サービス関連の訓練をしている場所です。
テレビドラマなどで、見られた方も多いのではと思います。
▲ Cクラス(ビジネスクラス)
左上の画像は、ちょっと前の席で“JALスカイラックスシート”。右上の画像は、フラットになる座席で“JALシェルフラットシート”です。
JALの長距離路線では、ビジネスクラスでもパーソナルサービスを導入しています。
▲ ファーストクラス
電動フルフラットシートになる座席で、このタイプはシンガポールとかヨーロッパの路線に投入。
お休みになる場合には完全に倒してから、シーツ代わりになるパッドを敷いて、本物の羽毛布団で就寝していただいているそうです。
ちなみに、このイベントに参加した一人の女子は、このシートに座り電動でシートが倒れるのを体験し、「なんか歯医者さんみたい!」とインプレしておりましたw
なお、グッドデザイン賞も受賞した、とってもスタイリッシュなシートです。
▲ ギャレー(調理室)
Cクラス(ビジネスクラス)では、ワゴンやカートを使わないというコンセプトの、パーソナルサービスを行っていまして、機内で炊いたご飯、お味噌汁をサービスしているそうです。
電子レンジ炊飯なので、家庭の IH 炊飯器のようにふっくらと美味しくまではいかないものの、コシヒカリをミネラルウォーターで炊いたご飯は、とても美味しい・・・
▲ エコノミークラス
実際座ってみると、ビジネスやファーストクラスよりかなりタイトなのですが、いつも私が座っているシートwですし、このキツキツ感が心地良く感じてしまうのは、慣れのせいなんでしょうか。。。
隣に座っている人がイヤな人でなければ、こちらのシートのほうが親近感があったりしますので、モノは考えようですよね。
● F/Aスペース
“F/A”とは、ファーストエイドのことで、急病人や怪我に対する応急救急処置の訓練を、此処で受けます。
うでを真っ直ぐに、正しい位置で、ひたすら心臓マッサージをする。
力もいりますし、この訓練はけっこう大変らしいです。
もちろん、(一部の)飛行機内には“AED”という蘇生用の器械があります。
CAのお仕事紹介のときに、ご説明してくださったキャビンスーパーバイザー(SU)の方です。満面の笑み、ありがとうございます。
みなさんご存知のように、日本航空は会社更生手続き中でありまして、このイベントに参加した理由も“JAL”を応援したい気持ちからであります。
お会いしたCAさん方は、可愛らしくて、なつっこい、やや敬語に普段語も混じったりして聞き取りにくい場面もありましたが、それも愛嬌で許せる範囲、とっても人間的に魅力の感じる素敵な方ばかりでした。
みなさんも、どうぞ再生JALを応援して差しあげてください!!
※ この記事シリーズは、2010年2月13日に開催された、リンクシェア・サロン「JAL日本航空 機体整備工場見学会」に参加してきた時の模様を纏めたものです。
▼ JAL 機体整備工場&客室教育・訓練センター見学会
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