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2009/10/12

ナナオ本社訪問記(4)『特定用途向けモニター生産ライン』

2009年9月、ナナオ本社に訪問した時のレポートです。

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ナナオ本社の製造工場4Fでは、カラーマネジメントの「ColorEdge」、医療現場向けの「RadiForce」、「FlexScan」のハイグレードモデルなど、特定用途向け液晶モニターがセル方式にて生産されていました。

このセル方式の生産フロアは、ワンフロアの中を[材料エリア]・[組立エリア]・[エージング/調整エリア]・[検査エリア]など各セルステージで区分けし、コの字形に工程レイアウトした「分割セル方式」を採用しています。

特に大型の生産設備は導入されておらず、「組立用セル」、「計測用セル」、「検査用セル」など(脚部にキャスター付きの)移動可能なセルユニットを、生産機種や生産量に応じて柔軟に組み合わせて、最適な生産方式を計画・実施できるのが特徴のようです。

取材日の生産ラインは 2~3 レーンで稼動しているのを確認していますが、全レーンを詳細に説明すると収集がつかなくなりますので、要所ごとにレポートしたいと思います。

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▲ 組立セル

セル生産とは、少人数グループまたは一人で組立てを完結する方式のことで、品種が多く小ロットの組立てに適した生産方式です。

(EIZO液晶モニターの)組立ての内容は、コンベア生産と殆ど差異はありませんが、受け持つ工程が増えますから、より熟練した技能が必要になります。特に生産変動幅が大きい製品やBTOモデルは、1人セル生産が基本になっています。

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▲ クリーンブース

タッチパネル搭載機種や医療向け保護ガラス搭載機種は、液晶パネルの上にタッチパネルセンサーやガラスパネルの貼付けなど粉塵を嫌う作業を、この「クリーンブース」内で行なうそうです。

上の2重扉の画像は出入口の「エアーシャワー」で、防塵服を着装した作業者も材料の搬入も此処で埃や塵が取り除かれ入室が可能になりす。半導体製造工場のTV取材で、同じような設備を見た方も多いと思いますが、それとほぼ同じ設備です。

また、クリーンブース内は空間除電器(無風型イオンバリアー)が設置され、空中に浮かぶ埃を徐電し再付着を防止しています。

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▲ エージング/調整エリア

組立てられた製品は、1台ごと台車に載りベルトで固定され、台車に載った状態で(製品は)管理・搬送されます。

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▲ エージング/調整エリア

このエリアで通電され、正常な動作の確認と画面輝度・色度を安定させて、調整作業を待ちます。

また、エージングの時間は約3時間で、汎用モニターの2倍の時間を掛けているそうです。

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エージング完了後は、調整用にプログラムされた画面表示を次々と切り替え、カラーアナライザという計測機器で連続して測定を行います。その測定結果を解析して調整値をモニターに入力して、輝度や色度などを細かく調整します。

調整の模様は、動画↑をご覧ください。

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▲ ユニフォミティ補正(画面均一性の補正)

液晶パネルの表示面を複数箇所測定すると、輝度や色度のムラが発生しているのが分かります。

液晶モジュールは、バックライト・光学シート・液晶セル・カラーフィルターなど複数パーツを組み合わせたアセンブリなので、部分ごとに特性のバラツキが出てしまうのは避けられず、一般的な液晶モニターを暗室で全面白色表示し、正面からよく見れば、輝度や色度ムラは目視でも確認できると思います。

EIZOのグラフィックスや医療用など特定用途向けの液晶モニターは、独自の「デジタルユニフォミティ補正回路」を予め搭載し、暗室で各ポイントを測定した測定値をもとに、輝度や色度を画面全体で均一になるように補正しています。この補正により、輝度や色度のムラに影響されない、さらに高精度な色再現環境が提供されます。

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▲ 検査エリア

検査工程は全数検査。要素完結セルで、検査員が1台ごと調整状態や機能を確認し、EIZO検査基準に基づき全ての検査を1人で完了させます。

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▲ 梱包工程

外観検査を終えた完成製品は、「調整データシート」や「付属品」が添付され、出荷前置場に一時保管されます。

梱包作業を行なうのもこのフロアで、1台1台手際よく丁寧に梱包されていました。

医療用向けモニターは、デュアルモニターで使用することが多いことから、画面輝度・色度の調整データを基にペアリング候補を選出し、最終的に検査員が目視で画面の差異を確認して、2台1パッケージで出荷されるそうです。


1台1台人の手で組立てられ、入念な調整工程や全数検査している様子を見学して、これが日本の製造業の良いところなんだと再認識しました。

時間を惜しまず、手間を掛けている、ナナオのモノづくり。

顧客が求める“真”の満足を得る、最高品位のEIZO製品は、この工場から生まれています。

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