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2009/10/26

ナナオ本社訪問記(6)『電磁波測定施設(10m法 電波暗室)』

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▲ W1棟/品質保証

品質保証の施設(W1棟)は、本社敷地内にある一番古い建物で、以前には生産機能(旧製造工場)があったそうですが、現在は新施設の工場に生産がすべて移転し、現在は品質保証部門が入っています。

品質保証部門は、「品質保証」、「信頼性保証」、「環境・安全規格管理」の3部門から構成されていて、その中の環境・安全規格管理セクションの施設である「10m法 電波暗室」を見学してきました。

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電波暗室といっても暗い部屋ではなく、外部から侵入してくる電磁波を遮断し、測定する機器から放出される電磁波を壁面で減衰・吸収する測定室のことで、電波無響室とも呼ばれています。

電波暗室の壁面には、外界からの電磁波を遮断する電磁波シールドと、内部に規則正しく並んだ電磁波吸収体のユニットで覆われていました。壁の構造が無響室に似ていることから、音も減衰・吸収するみたいでシーンと静まりかえった独特な(異様な!?)空間です。

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電波暗室は電磁波測定用の施設のことで、電気・電子機器、無線・通信機器から放出している電磁波ノイズが、電磁波規制の基準値以内に収まっているかどうか測定が求められています。

電線に電流が流れれば電磁波は放出されますが、その電磁波の強さによっては他の機器に誤作動などの影響を及ぼす可能性があるので、規制されています。また、その機器には他の機器からの電磁波の影響を受けない構造も求められいて、この2つの要素(影響を及ぼさない・影響を受けない)を満足させるのがEMC対策と呼ばれています。

測定される液晶モニターはターンテーブル(円形の回転床)上に設置され、測定中にはターンテーブルが回転して機器から放出される電磁波を360度の方向から計測されます。

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(左画像の中央に白いラインが見えますが)ライン上の離れた位置には電磁波をキャッチするアンテナが装備されています。キャッチした電磁波は測定機器に入力され、その電磁波の強弱が測定機器にモニター表示されます。

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▲ 電波吸収体

電波吸収体は、入射してきた電波エネルギーを吸収して熱エネルギーに変換するもので、この施設では発泡性プラスチックにカーボン粉末を混合した板状の素材が使用されていました。

また、有効的に熱エネルギーに変換するため、壁面に対して垂直方向の複数枚の吸収板がユニット化してあり、白色の発泡性プラスチックでキャップしてあります。キャップの色は室内を明るくする理由もあるそうです。

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出入口の電動式自動ドアです。側面から見ると壁の構造がよく分かります。

左から、磁性体吸収体(シールド材)、発泡性樹脂の電波吸収体、電波吸収体を束ねるキャップです。

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室内には、機材搬入用の大型自動ドアも別に設置されていました。

測定される機器の中には、60型級のプラズマテレビもあるそうです。

では、自動ドアが開く様子を動画↑でご覧下さい(なぜだか感動しますよw)。

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ドアが完全に開いて機器が搬入できる状態で、大型の機器はこの出入口から搬入されます。

ナナオの方より聞いた話では、商品開発時にはこの部屋に閉じこもって作業することもあるそうです。
(でも、自分だったら巨大な測定室で作業するのは遠慮したいですねw)

以上で、ナナオ本社訪問記(全6編)を終了します。眼精疲労のせいで、なかなか記事が書けなくてすみませんでした。

疲れ目を低減させるにはナナオの液晶モニターがオススメですが、限度を超えてしまえばやっぱり疲れてしまいます。白地に黒文字のウィンドウ画面は、長時間使用していると目が疲れるので、そこらへんから変えていかないと・・・(このブログみたいに!?)

最後に、EIZOダイレクトの方々(特に独身の女性スタッフの方)!ナナオ社員のみなさん!今回は大変お世話になりました。ありがとう御座います。

※ 2009年9月、ナナオ本社に訪問した時のレポートです。

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コメント

どうしてNANAOの自動ドアの開閉ギミックはこんなにも心をドキドキさせるんでしょうか。
お弁当持参で一日ぐらい軟禁されたいですw

投稿: wolf | 2009/10/26 23:05

wolfさん、こんにちは。

現実空間から隔離されたい願望のひとが多いみたいですね~

悟りを開くには、いい場所かもしれません!

また、自白部屋やお仕置き部屋にも使えそうですw

投稿: kite | 2009/10/27 07:39

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