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2009/07/18

日本が誇る技術、スーパー繊維について

東京・池袋にあるトヨタのショールーム、「アムラックス東京」の1Fに展示してあるF1マシンを見学してきました。

ボディーのペイントだけ見ると、どうやら「TF108」マシンなのですが、空力パーツは2008年シーズンのものと異なるので、モデル名の特定はできません(プロトタイプかもしれません)。ちなみに今シーズン(2009年)のモデルは「TF109」です。

トヨタのF1は、昨年末あたりからパーツ製作のオファーが入っていて、もしかすると自分が手掛けた部品を搭載したマシンが、世界中のサーキットを走り回っているなんて夢も見ていたのですが、今年の2月あたりで話がポシャってしまいました(数グラム単位のパーツの軽量化よりも、コスト性を重視したみたいです)。

まぁ、今考えてみれば、パーツが壊れるごとに新規に部品を製作して、それも超・超短納期・・・徹夜も覚悟しなければならない仕事だったので、逆に話が流れてくれて良かった気がします(笑

Toyota_f1_01

話がアッチャ・コッチャになってしまいましたが、今回はF1マシンを題材に「スーパー繊維」と呼ばれる化学繊維について書いてみようと思います(F1については、また別の機会に・・・)。

みなさんご存知のように、F1カーはモノコックからカウル、サスペンション、ウィングに至るまで、「CFRP」という複合素材が使われています。

CFRPは、炭素繊維(Carbon Fiber)で強化(Reinforced)したプラスチック(Plastics)という意味で、「炭素繊維強化プラスチック」、または、「炭素繊維強化樹脂」とも呼ばれています。

「CFRP」に使われている炭素繊維についてもう少し書くと、比重が1.8g/cm2前後と炭素鋼の7.9g/cm2に比べて約1/4、アルミ合金の2.7~2.8g/cm2よりも軽く、強度および弾性率に優れ、疲労が少ない、錆びない、化学的にも熱的に安定といった優れた特性を有しています。一本わずか5~10μmの極細繊維なのですが、従来の金属材料を置き換わる軽量化素材として本命視されています。

また、こうした複合素材において、強化される側の部材をマトリックス(母材)と呼び、一般的な「CFRP」のマトリックスはエポキシ樹脂が主流で使われています。

Toyota_f1_02

F1のコックピットは、クラッシュ時にドライバーを保護するため、防弾チョッキにも採用されているPBO繊維炭素繊維からなる複合素材の使用がレギュレーションで義務付けられています。

PBO繊維は日本が誇るスーパー繊維のひとつで、有機系繊維のなかで世界最強と呼ばれ、このページ(←リンク先参照)の[用途紹介]のように各分野において(優れた特性を活かし)広く利用されています。

Toyota_f1_10

ブレーキシステムのローターとパッドには、「C/Cコンポジット」と呼ばれる素材が使用されています。

「C/Cコンポジット」は炭素繊維炭素(カーボン)の複合素材で、とても軽量で高温(1000℃以上)に強く、熱衝撃にも耐えるといった特性があります。だからブレーキにも使われているんですね。

俗に「CFRP」のことを「カーボン」と呼んでいることが多いので、ちょっと話がややこしいのですが、「C/Cコンポジット」のマトリックスには黒鉛(別名グラファイト:炭素の原子が横方向に結合している、炭素の同素体)を使用しています。

Toyota_f1_03

塗装していないリアを見ると、炭素繊維クロス材(織物)を使用した「CFRP」が使われているのがよくわかりますね。炭素繊維の製品はこのクロス材が有名ですが、実はそれだけでは無いんですよね。炭素繊維は原糸だから、糸にしたヤーン、細かく切ったミルド・チョップド、マット状にしたフェルトなどなど、炭素繊維製品は多種多様あります。

スーパー繊維には今回紹介した炭素繊維・PBO繊維の他に、パラ系アラミド繊維・超高分子量ポリエチレン繊維・ポリアリレート繊維などがあり、日本の化学繊維の技術はまだまだスゴイです!!


以下は、撮影してきたF1マシンの画像を少しだけ掲載してみます。
(画像をクリックして拡大表示できます)

Toyota_f1_04 Toyota_f1_05

Toyota_f1_06 Toyota_f1_07

Toyota_f1_08 Toyota_f1_09

トヨタさん、初優勝をめざして頑張ってください!応援しています!!

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