NEC(日本電気) Express5800/110Ge を斬る(18)
▲ IO-DATA GV-MVP/HS2(地デジTVキャプチャーボード)
NEC Express5800/110Ge 一台目の仕様を、地デジ TV ホームサーバーに決めました!
テレビでなくコンピュータですので、ハードディスクの容量はテラバイト単位で増設が行えますし、チューナーの接続は内部拡張スロットと USB インターフェイスが使えるので、コンピュータの処理能力分だけ数を増やすことが可能です。
※追記 I-O DATA の対応製品の場合、最大 8 チャンネルの同時録画が可能。
現在、地デジ放送をコンピュータで楽しむのには、グラフィックボードとディスプレイがデジタル著作権保護技術の HDCP に対応し、グラフィックスボードは COPP に対応したドライバを備えている必要がありますから、NEC Express5800/110Ge に TV キャプチャーボードを挿しても地デジを観賞することが出来ません。
ただ、このマシンは既に Windows Vista が動作する要件をクリアするため改造・増設していて、上記条件にも対応しています。
ちょっと、整理してみると・・・
NEC Express5800/110Ge のマザーボードは、サーバー用の特殊仕様になっていますから、PCI Express x8 のスロットの一部をカットして、PCI Express x16 のグラフィックスボードが挿せるように改造しています。
グラフィックスカードは上記の改造した PCI Express x8 スロットに、ELSA GRADIAC 795 GT を挿していて HDCP と COPP に対応済み。
今回用意した液晶モニターは、HDCP に対応し動画再生にも適しているオーバードライブ回路内蔵の EIZO FlexScan HD2452W で、グラフィックスボードとモニターを DVI-D で接続しています。(今後、液晶モニターは PC 用と使い分け、地デジ専用に 24 型ワイド液晶モニターを追加します。もう機種名は決まっていて、近いうちに詳細レビューをしたいと考えています)
また、OS は扱いやすいWindows XP Pro をインストールしました(NEC Express5800/110Ge に Windows XP をインストールする方法はこちらにあります)。あと、番組記録用に使用していなかった 500GB の HDD を増設しています。
▲ Intel Core2 DUO E8400
地デジをフルに楽しむにあたって、この NEC Express5800/110Ge に載っていた CPU(celeron 430 1.3GHz)では処理能力が不足しています。
1,440×1,080 ドットの MPEG-2 データをリアルタイムで処理するので、それなりの CPU パワーが必要!ですから CPU をIntel Core2 DUO E8400(3GHz E0ステッピング)に換装しました。
TV キャプチャーの増設(多チャンネル同時録画・再生)を考えると、CPU は Core2 Quad のほうが適していると思いますが、とりあえずこのCPUで試してみます。
CPU のスペックは、こちらを参照してください。
換装前: Intel Celeron 430 1.80 GHz(SL9XN)
http://processorfinder.intel.com/details.aspx?sSpec=SL9XN
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
換装後: Intel Core2 DUO E8400(SLB9J)
http://processorfinder.intel.com/details.aspx?sSpec=SLB9J
激安サーバー機で改造・増設を楽しんでいるので、この CPU のほうがサーバー単体価格より実は高いです!
▲ IO-DATA GV-MVP/HS2
用意した「地デジ TV キャプチャーボード」は、IO-DATA GV-MVP/HS2 で、PCI Express x1 接続のシングルチューナーの製品です。PCI Express x1 接続ですが PCI Express x8 のスロットに挿しても問題なく動作しました(※すべての機種で動作を保証するものではありません)。
※ PCI モデルのGV-MVP/HX2 はこちら!
外観は B-CAS カードスロットを別基板にした2層構造、信号回路に専用LSIを採用することにより、コンパクトなボディになっていますね。
また録画番組は、DLNA と DTCP-IP(コンテンツ保護規格)に対応しているテレビ機器に LAN で接続すれば、録画番組の配信が可能になっています。
信号系の主要パーツは、シリコンチューナー(詳細不明)、 OFDM 復調 IC(TOSHIBA TC90507)、TVキャプチャ/エンコーダ IC(NXPセミコンダクターズ SAA7163FE)から構成されています(信号経路順に記載)。
OFDM は日本の地上波デジタル放送規格の変調方式のことで、アンテナで受信された信号はチューナーに入力され、選択されたチャンネルの信号のみとなり、OFDM 復調 IC に入力されます。
OFDM 復調された信号は、NXP SAA7163FE で映像と音声のデータ処理がされ、コンピュータで扱えるデータ形式になります。
NXP SAA7163FE には、SDRAM(SAMSUNG K4H561638H-UCCC : DDR400 256Mb)と FLASH メモリ(ST Microelectronics製)が接続されていました。
▲ B-CASカード(ICカード)
地デジ視聴には地デジ対応の B-CAS(ビーキャス)カードが必要になります(TV キャプチャー製品に添付されていました)。
暗号化されているデジタル放送のデコードのため、B-CAS(ビーキャス)カードの IC チップに記録されている暗号鍵を利用して解読する仕組みになっているそうです。
IC チップに記録されたデータを読み取るため、カードには向きがありますね。
地デジ TV キャプチャボード(IO-DATA GV-MVP/HS2)を、グラフィックスボードの左隣の PCI Express x8 スロットに挿しました。プリント基板は 2 枚構成ですが、1 スロット分しか占拠しません。
また、音声出力用にPCI接続で、C-Media の CMI8768P+ チップを搭載したサウンドボード(玄人志向 CMI8768P-DDEPCI)を追加しています。音声でも拡張性を持たせたかったので、アナログ 7.1ch/デジタル(S/P-DIF)5.1ch に対応している製品を選びました。
たぶんデジタル接続にするので、この製品のアナログ音質はあんまり気にしていません(アナログ音質を重視していたなら、オンキヨー製のサウンドボードを選んでいたはずです)。
▲ I-O DATA GV-RCkit2
I-O DATA 製キャプチャ製品の TV アプリケーション「mAgicTV」用のオプションリモコン。
専用リモコンがあれば、(視聴するだけなら)テレビに劣らないイージー操作が可能になりますね。
「mAgicTV」をワイヤレスマウスで操作すれば、もっと細かくリモートコントロール(遠隔操作)出来ますので、状況に応じて使い分けたいと思います。
※現在(2009.05.16)発売されているリモコンは「GV-RCkit3 」です。
▲ 赤外線リモコン(左)と USB 接続のリモコン受光ユニット(右)
赤外線を利用しているので、モニターの表示側に受光ユニットを設置します。
あと、赤外線リモコン受光ユニットは、USBバスパワーに対応しています。
とりあえず、地デジを視聴・記録・再生・配信するホームサーバーは出来上がりました。
コンピュータですので、拡張性では市販のテレビよりも自由度ありですね!
また、NEC Express5800/110Ge は、もともと汎用サーバー機なので用途としても合っているような気がします。
ネットワーク対応のテレビ(DLNAとコンテンツ保護規格のDTCP-IP対応)にも接続できて、だんだんと昔夢見たテレビに近づいています!
次回に続きます!
※ この記事で使用しているモデルは、NEC Express5800/110Ge (C/1.80G(512)-80) NP8100-1447YP2Y です。
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