日本ビクター SX-WD1KT(ウッドコーンスピーカーキット) Vol.2
日本ビクターのウッドコーン・スピーカーキット SX-WD1KT。
前編(Vol.1)で各パーツの紹介をしましたが、今回はその続編で“組立て”と“聴感レポート”についてお届けしたいと思います。
組立てに必要な工具類です。これらは、キットには含まれていませんので、組み立てるにあたり各自で用意する必要があります。
特に特別な工具は無いと思いますが、六角レンチの 3㎜ は最初からキットに含まれていても良かった気がします(買い求めるとなると単品でも購入できますが、上の画像のようにセッでト販売されているほうが一般的です)
ハサミは吸音材をカットする際に、木工用接着材はバスレフダクトのエア漏れ防止と吸音材をキャビネット内部に貼るつける際に使用します。プラスドライバーは「No.2」の大きさがベストのようです。
「組立てマニュアル」には、バスレフダクトを取り付ける時にハンマーが必要と記されていましたが、それほど固い圧入ではないので、私は貫通ドライバーの柄の部分を利用しました。(ハンマーに比べ、若干ですが難易度は高くなります)
キャビネット内部になります。
キャビネットは既に組み立てられ、各パーツをマウントするための穴やユニットを固定するスクリュー穴は開けられています。
こちらは、ウッドコーン・スピーカーユニット用の専用設計ですので、いろいろなスピーカーユニットを選ぶ愉しみやエンクロジャーの組立てまで求める方には物足りないと感じるかもしれませんが、そのぶん工作は容易なものになっています。
組立ては、まずバスレフダクトの取り付けから行います(吸音材は毛羽立ちますので、キレイな部屋での作業は避けたほうが良いと思います)。
ダクトの先端は斜めに成型され“向き”がありますから、ダクトをダクト穴に手で挿入し、リブの当たるところで位置決めをして、軽く押し込みます。
この時、リブの外周部にエア漏れ防止のための木工用接着剤を約 5㎜ の幅で付けます。キャビネットの背面板に接着剤の容器を当てながら接着剤を出していくと、ほぼ同じ位置に付けることが出来ます。
接着材は、少なすぎるとエア漏れ防止の機能を果たせませんから、すこし多めでも良いでしょう。画像くらいの量がベターだと思います(接着剤がはみ出た時の対処法は後述します)。
ダクトを打ち込みするときは、キャビネットを傷つけないよう、吸音材(白)を下に敷き、上部には誤ってキャビネットを叩いてしまった時の保護用に吸音材(黒)を載せておきます。
ダクト打ち込みは、ダクトが曲がって入らないよう同じ力で軽くダクトの端部を前後左右とまんべんなく叩き、ダクトとキャビネットの間の隙間が無くなるで行います(一気に叩くと曲がる原因になります)。
作業途中に、吸音材(黒)を横にずらして真っ直ぐに入っているか確認しながら行うのが良いと思います。
※木工用接着材がはみ出てしまったら、固まる前に水で濡らして堅く絞った布でキレイに拭き取ります。
吸音材を所定の大きさにカットします。
吸音材の量で音質が変化するのは分かっているものの、基準になる音をとりあえず出すため、マニュアルの指示に従います。
スピーカー1台分の吸音材です。
定規を当てながらアバウトにカットしたので、よく見ると曲がっている所がありますね。でも、これは仕事ではないので許してください。
キチンとカットしたい場合は、(裁縫のように)厚手の紙をカッターなどの刃物で真っ直ぐ切り、それを台紙にする方法があります。
吸音材をキャビネット内部に、木工用接着剤を使い貼り付けました。
上の画像を見ると、かなり抜けの良い音が想像できますね。ここから先はヒヤリングしながら、吸音材の量を調節してチューニングして行こうと思います。
同社のウッドコーン・オーディオシステム EX-AK1 で使われているスピーカーのように、ウッドチップの吸音材を是非とも入手ですねー
スピーカー端子にスピーカー端子用コードを接続します。
コード両端の端子処理は同じですから、どちら側の端子(メス)をスピーカーユニットに取り付けても OK です。プラス・マイナスの極性は、ギボシ端子の大きさが違うで間違えることはありません。
端子は、差し込む時に場所によって固い箇所もありましたので、オスの端子が曲がらないように慎重に奥まで差し込みます。
端子台をスピーカー端子が斜め上を向くように、ドライバーを使いプラスの溝が切ってあるスクリューで固定します。
スピーカー端子用コードをキャビネットの穴から取り出し、スピーカーユニットに接続します。
この時に、スピーカーユニットのコーンを傷つけないように丁寧に扱ってください。こちらも、オスの端子が曲がらないように慎重に奥まで差し込みます。
スピーカーユニットの端子(スピーカー端子用コード)が下を向くように、六角レンチを使い六角穴があるスクリューで、スピーカーユニットを固定します。
これで、スピーカーの組立ては完成です!(もう一台も同様に組み立ててください)
このスピーカーのキャビネットには、ウッドコーンスピーカーの能力を十二分に発揮させるため、チェリーの無垢板が使用されています。
天然の木の木目は美しく、木の素材自体が持つ暖かみがありますよね。
(塗装は下塗りなので手で触ると若干ガザついています。この状態でも十分に綺麗ですが、仕上げ用の目の細かいペーパーでピカピカに磨くともっと魅力的なスピーカーなると思います)
ここからは、リスニングについてなので少しモードを変えます
フルレンジのほぼ軸上で聴く点音源再生のサウンドは、ピアニッシモの反応がよく、演奏者の位置や語りかけるようなメッセージまで克明に伝え、柔らかい自然な音の響きを奏でる。 アコースティックの楽器やボーカルは生々しく、必要以上の音は出さない粒立ちの良い音。 小口径シングルユニットの情報量から見て、このスピーカーに大編成オケの再現性を求める人は少ないと思う。 室内楽の小編成ユニットやアコースティックギター ・ ピアノの美しい音色をじっくりと味わいたい。 ポップスは音源次第だが、diva(ディーバ)と呼ばれる歌姫たちのボーカルを、このスピーカーを通して聴くととても魅力的だ。 |
最後に、このウッドコーンスピーカーには、コンパクトスピーカーならではの魅力がいっぱい詰まっていると感じました。
このスピーカーに注いだエンジニアの情熱(というか執念)まで知っているので、このスピーカーをずっと大切にしたいと思います。
これからは自作の楽しみで、世界でただ一台のスピーカーを目指し、もう少し自分好みのサウンド仕様に仕上ていきます!
このスピーカーキットの詳しい商品情報はこちらからご覧いただけます。
≫商品はこちらより購入できます(ioPLAZA)
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コメント
コンパクトスピーカーで検索して来ました。コンパクトではないけど、このウッドコーンスピーカーっていいですね。何より自分で作りながらカスタマイズできるのが楽しそうです。また出来上がった後の音を楽しむのも自作ならではの感動がありそうですね
いい情報をありがとうございます
投稿: コンパクトスピーカー | 2009/04/02 14:42